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2008年4月 7日 (月)

独断と偏見による日本語文献のレビュー

去年のゴールデンウイーク、私は、横浜・新宿・渋谷・池袋の本屋を回って、あれこれ日本語文献を買いあさっていました。アメリカのロースクールでの学習で、日本語文献を使うことについては賛否両論と思いますが、実際に、皆が使っていることは120%確かです。

日本語文献否定論の根拠は、「英語で考えるべきだ。日本語に頼っていては、英語が上手くならんぜよ」という、「英語からの逃避防止」に求められることが多いでしょう。
日本語文献肯定論の根拠は、「英語英語というが、ロースクールにまで留学したのに、中身を理解できなかったら何にもならんだろう」という、「理解こそが第一」に求められる傾向があるように感じます。

私は、日本語文献を、積極的かつ戦略的に使っています。言い訳がましいですが、戦略的、というところがポイントです。言語の壁は高いです。(少なくとも私には)チョモランマの如くです。この壁を登ることを諦めるつもりは毛頭ありませんが、長い時間を要することだけは確かです。限られた時間で一定の理解を得るためには、何と言われようが、あらゆる手段を尽くすべきでしょう。それに、日本語文献で節約できた時間で、英語のための勉強をすればいいだけの話でもあります。他にも説得的な理由は多数ありますが、ここでは省略します。

以上前フリが終わったところで、私の手元にあるアメリカ法関連の日本語文献について、簡単に振り返ってみます。日本語文献は、日本に居る時の方が手に入りやすいです。日本に居る時にゲットされた方が、何かとお得と思います。

1)「英米法辞典」(東京大学出版会。田中英夫編)
全授業における必須アイテム。特に電子版を重宝しています。ただし電子版は、当地の英語Windowsでは使うことは出来ません
(文字化けします。DVD版英辞郎、および、信長の野望・天下創生でも同じく文字化けします)。

2)アメリカ法ベーシックス(弘文堂)
アメリカ契約法」:契約法(ファーンズワース先生)の授業で大いに助かりました。実際に、試験に持ち込んで、アウトラインの代わりに使っていました。樋口先生に感謝です。
アメリカ証券取引法」:会社法(ウオーカー先生)の授業で証取関係のテーマが出たときに、リファーしていました。ホワイトヘッド先生の証券取引法では余り役立たない(授業が深すぎるから)との声も聞きます。
アメリカ代理法」:会社法(ウオーカー先生)の授業は、「代理」から入ります。その時に多用していました。
アメリカ民事手続法」:アメリカ法入門(ビアマン先生)で、管轄について扱った時に、よくリファーしていました。手続法を履修する人は、持っておくべきなのでしょうね。
アメリカ独占禁止法」:独禁法(ヒルトン先生)でのマストアイテム。

3)ナットシェル和訳シリーズ(木鐸社)
「アメリカ統一商法典」「アメリカ会社法」「アメリカ知的財産法」の3冊を持っていますが、期待ほどではなかったです。「アメリカ会社法」は、会社法(ウオーカー先生)の授業でそこそこ使いましたが、残り2つは全く使っていません。

4)「入門 アメリカ法制度と訴訟実務」(トニ・M・ファイン著。牧野和夫監訳。LexisNexis)
アメリカ法入門書の決定版と思います。陪審裁判および懲罰的損害賠償の長所・欠点については、サマースクールでほぼそのままパクりました。判例サイテーションや法源に関しても言及されている点が素晴らしいです。また、さんざん英文契約の翻訳をやった(やらされた)我が身としては、5ページ目から8ページ目まで、涙無しでは読めませんでした。ううっ。

5)「アメリカ憲法入門」(有斐閣。松井茂記著)
サマー、およびアメリカ法入門(ビアマン先生)でよく使いました。

6)「英米判例百選」(別冊ジュリスト。有斐閣)
アメリカ法入門(ビアマン先生)で扱う判例が、幾つかそのまま載っています。百選だけ読んで、授業に臨んだというLLMが(私も含めて)複数名・・・

7)「UCCコンメンタリーズ」一巻・二巻(LexisNexis。田島裕著)
UCC(ミラー先生)の授業で辞書的に使っています。条文の全てを網羅できているわけではないのが惜しい。第三巻(UCC第九編)はこれから刊行予定。第三巻があったらなぁ、と何回思ったことか。

8)「改正米国動産担保法」(商事法務研究会。国生一彦著)
UCC第9編(動産担保取引)をカバー。UCC(ミラー先生)の授業で辞書的に使っています。私は、後ろの索引でUCCの条文を引いて、その条文の説明の箇所を読む、という使い方をしています。

9)「UCCの基礎知識」(自由国民社。尾崎哲夫著)
買って損した・・・。

10)「新・アメリカ商事判例研究」(商事法務)
アメリカの会社法・証券取引法に関する重要判例を抽出して、判旨・ポイントを解説した本。あまりに考えずに買いあさったため、この本の存在に気がついたのは、会社法(ウオーカー先生)の試験が終わった翌日。会社法の授業で扱った判例が相当数載っていたため、この本を開いた時は真っ青になりました。この本の存在にもっと前から気づいておれば、会社法の授業がもっと楽にすごせたのに。後悔です。

11)「アメリカ著作権法入門」(信山社。白鳥綱重著)
知的財産法(ボーン先生)の授業で、日本人全員がお世話になりまくりの本です。判例の評釈も簡潔で、よい本と思います。

12)「英和対訳 アメリカ特許法とその手続」(雄松堂出版。ドナルド・チザム著。竹中俊子訳)
来年の特許法対策として買った本。私が持つ本の中では間違いなく最高額(26,000円)。授業に役に立つかどうかはこれから。授業で役立たずとも、読んでおきたい本と思っています。辛そうだけど。

13)「判例で読む米国特許法」(商事法務研究会。木村耕太郎著)
判例概要が詳細にまとめられており、よい本と思います。特に、知的財産法(ボーン先生)の特許法パートで出てきた最初の判例(Diamond v. Chakrabarty)が、非常に詳細に解説されていたのには感動しました。

全部足したらいくらになるんだろう・・・それは考えないことにします(;^_^A

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日本語の米国法本は、すでに大量に買い込んで、かつお約束でまだぜんぜん読んでないのですが、また欲しくなりますね。。。

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