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2009年1月11日 (日)

Tortsの授業(4)

来週火曜日から新学期が始まります。バーの勉強とどう両立させていくのかが課題です。

さて、少し戻って前学期の話になりますが、Torts(不法行為法:Silbargh先生)の授業は履修してよかった、と思っています。いつものように、Silbargh先生が言っていることは良く聞き取れなかったのですが、判例/テキストの読み込みは非常に勉強になりました。

試験対策も、比較的やりやすかったです。試験前になると、Silbargh先生がネットに過去問&自作解説メモをアップしてくれます。前日にそれを見ながら、ヤマを張っていきました。

前にちょっと書きましたが、試験時間は3時間(LLMは+1時間)。第一問は75%、第二問は25%の配点。Word Limit(字数上限)があり、第一問は4500字、第二問は1200字まで。第一問は長いので既に忘れましたが、第二問は以下のような感じでした。(Attractive Nuisanceが主な論点)

〔問題〕

Jack(17歳)とJill(18歳)の近所のSueさん宅の庭には、トランポリンが置かれている。安全確保のため、トランポリンに落下防止用ネットを設置することが、この周辺での一般的習慣(Custom)とされていた。だが、Sueさん宅のトランポリンには、落下防止用ネットがついていない。

実は、Sueさんはこのトランポリンを、障害のある自分の娘の精神治療のために用いていたのである。娘がトランポリンを使用するときは常にSueさん、あるいはセラピストが安全管理をするようにし、また 万一を考え、「NO Trespassing」の立看板を立てておいた。

ある日、JackとJillは、Sueさんがいない時に、立看板があるにもかかわらず(despite the sign)、Sueさん宅に忍び込み、ネット無しのトランポリンで遊んでいた。彼らは、自分の家にもトランポリンがあったものの、ネットが邪魔だと思っており、ネット無しトランポリンで遊びたかったのである。案の定、二人はトランポリンから落下し、Jackは鼻骨と頭骨を、Jillは足を負傷。

二人はSueさんに対し、損害賠償請求訴訟を起こそうとしている。Sueさんの弁護士として、Sueさんのためにどのような主張が可能か述べよ。

〔Twilight回答〕(←よって正しくない可能性が多分にあります)

Sueさんは二人に対して責任を負わない。十分に反論可である。

2nd Restatement 339条によれば、5つの条件全てを満たすことを条件に、土地所有者は、その土地に置かれている人工物土地に侵入した子供physical harmを及ぼしてしまった場合責任を負わなければならない。本件では、トランポリンは人工物でSueさんの家の庭に置かれており、二人は子供であって、二人の怪我はphysical harmである。よって、5つの条件を全て満たせば、Sueさんは二人に対して責任を負わなければならない。しかし、本件においては、(5つの条件のうち)2つが未達であるため、Sueさんは二人に対して責任を負う必要はない

まず、土地所有者が責任を負わなければならない条件の一つ(b)は、「その年齢ゆえに、子供がその人工物に内在する危険性に気がつかないであろうこと」であるが、本件ではこれを満たさない。
二人は17歳と18歳である上、自宅には同様のトランポリンがあり、Sueさんの立看板を見ながらそれを無視している。二人は、ネット無しトランポリンに内在する危険性に気がついていたはずである。

また、土地所有者が責任を負わなければならない条件の一つ(c)は、「土地所有者が、危険を避けるためにreasonable careを行っていなかったこと」であるが、本件ではこれも満たさない。
Sueさんは、立看板を立てている。万全を期すならば、庭の周りに鉄条網を張り巡らせるということも考えられるが、本件での立看板設置のように、コストに見合った方法で対策を施せば十分である(Adams判例)。二人は、落下防止用ネットを張り巡らせることが一般的慣習(Custom)であり、それに反しているのだからSueさんはReasonable Careを尽くしたとはいえない、と主張してくるかもしれない。しかし、CustomはReasonable CareのStandardを決める上で重要とはされているものの、Standardそのものではない(Trimanco判例)。本問において、Sueさんは立派にreasonable careを果たしている。

以上より、仮に二人がSueさんを訴えたとしても、Sueさんとしては十分な反論が可能である。心配には及ばない。

これは2004年の一問目の改題のようです。湖の上にある(凍結防止のための)噴水に立ち入った侵入者(大人)が怪我をした事例で、噴水オーナーの責任は問えるか、といった問題でした。「湖の上に」だからwater is publicであって、そもそもそのオーナーさんの土地の上に噴水があるわけじゃないから、土地所有者の一般原則で論ずべき話ではないわね、という、ちょっとイジわるな問題でした。
今回は、それに比べれば素直かな、と思います。もちろん、条文(2nd Restatement 339条)など覚えているはずもなく、テキストから書き写しただけ。二つの判例の使い方(Adams、Trimanco)も、年度は忘れましたが、過去問からそのまま(先生の表現ごと)引っ張って、タイプ打ちしただけです ^^;)

バーの試験も、オープンブック(何でもかんでも持ち込み可)になってくれたらなぁ・・・coldsweats01

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オープンブックで問題を解いている時間の余裕一切はないですよ。

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